スピーカーな話 その2 原理模型

スピーカーを作りました。といってもスピーカーユニットをエンクロージャー?に入れたというのか、鳴らせる状態にしたというのか……

10cmのフルレンジスピーカー(Fostex P1000K)を使いました。安くて特性もそこそこなのでこれにしました。

今回の製作目的は、現在使っているスピーカーシステムの原理の説明と、小型化したらどうなるかを確かめたかったからです。小型化と言っても写真をご覧になればおわかりと思いますが結構大きいです。

ダンボール箱を芯にして両面を粗毛フェルトで包み込んでいます。木材などで枠を組んでそこに粗毛フェルトをかぶせたほうが本当は良いのですが、簡単に作るために今回はダンボールを芯にしています。各面のダンボールにはできるだけ穴を多く開け開口面積を広げたほうが良いです。

スピーカーユニットには錘(半切りレンガを使いました)をエポキシで接着し、吊り下げ用の紐を取り付けます。

 

 

スピーカーを吊り下げますが、この場合紐をV字にしてスピーカーユニットが前後にだけ動くように釣ったほうが良いようです。

ではなぜ私がこんなものをずっと使っているのかということですが……

 

「振動板から発生している音だけを聴きたい!」

それだけです。

エンクロージャーに粗毛フェルトを使っているのは、木材の振動する音や、バッフル面からの反射する音を聴きたくない、ということです。磁気回路に錘を取り付けるのはスピーカーのフレームから放射する音を聴きたくないからです。そして吊るすのは、床や壁に振動が伝わるのを出来る限り少なくするためです。

音の方ですが……   予想以上でした。

出来上がった当初は、低音が全く出ませんでしたが、スピーカーの外側まで大きく音が拡がって聴こえます。鳴らしこむにつれて少しずつ低音の量とレンジが拡がっていきます。側面のダンボールを多く残しすぎたためにダンボールの音が聴こえそれが気になったので、無理やりフェルトを剥がしカッターナイフで適当に穴を拡大しフェルトを貼り直したので少しいびつになりました。だいぶカンカンした音が減り音が落ち着いてきました。

能率が結構高いので、びっくりするほど大きな音まで出ますし、つかえた感じはありません。かなり低い音までしっかり出てきます。コントラバスの音階もよく分かります。トーンコントロールで少し持ち上げてやると大編成のものでもそれらしく再生します。

先にも書きましたが、空間の再現は見事です。スピーカーの間隔に関係なく部屋中に音が拡がってきます。スピーカーの間隔を1メートルから3メートルぐらいに変えてみて音の定位はほとんど同じような感じに聴こえるのは少し不思議です。

音の立ち上がりと、細かい音の再現能力は多くの方が聴いたことのないレベルだと思います。音の立ち上がりが圧倒的に良くなると、楽器のバランスが違って聴こえてきます。打楽器の音が大きくなり人の声や弦楽器が相対的に小さくなります。また音の実体感が増しそこで音が作られている様な感じに聴こえてきます。またエンクロージャーや床や壁の振動で発生している音が、細かい強弱や音色の変化をマスクしています。でもこういったことは経験しないと絶対にわからない部分だと思います。

非常に安価なスピーカーユニットでも非常にクォリティの高いシステムができることが分かり、「振動板の音だけ聴きたい」という考えが間違っていないと再認識しました。

 

 

おまけ

MPD−0.20.9 アップロードしました。

kick について

kick 時々 moct どちらも名前のもじりです。kick は姓からですし、moct の方は名前の音読み+αです。 kicktickは要するに私のようにということで、基本きまぐれ、思いつき、言いたい放題、まれに真面目といことです。 メールアドレス  moctアットマークkickcoffee.org
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スピーカーな話 その2 原理模型 への1件のフィードバック

  1. yseki118 のコメント:

    lightMPDのv1.0.4が出たので、久しぶりにAPU1Cを使ってxenomaiカーネルとmpdsacdiso-0.21.xで音出しをしています。
    弦の音が良いので、ベートーベンの弦楽四重奏曲など、実にリアルに再現されます。
    今までは、音色は好ましいものの、解像度でBBG+ArchBOTICに負けていたAPU1C+lightMPDですが、今回は解像度でも負けていません。と言うか、今まで聞こえなかった音が聞こえてきます。
    BBG+ArchBOTICでゴールに着いたと思ったのですが、まだ先があったようです。

    そこで、moctさんに教えていただきたいのですが、ArchBOTICでもxenomaiカーネル版は実現可能でしょうか。

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