お久しぶりです。
珈遊会のメンバーの皆さんの豆を送っていただき、飲んでみていろいろ考えることがありました。
皆さんのコーヒーの試飲や焙煎データから、アドバイスなども求められました。返事が出来なくて申し訳なく思っています。皆さんの温度データをみても、比較できるものが無いので、私も遅ればせながら、焙煎機に温度計を取り付けました。
豆温度というより、釜の本体温度の測定です。約3ヶ月ほどデータを取りながら焙煎をしています。また、dridriさんの他の方たちより浅く煎ったシボルガの香味を、深く煎った中に表現できないか、少々無謀なこと考えたことや、以前「とんきちさん」の移山房の記事が気になっており、少々思い当たることがあったので、しばらく焙煎について実験したり考えたりしていました。
結果的には、「コーヒーを焼く 2」で書いたことの確認になったようです。
やはり温度が一番効きます。ドラム内の平均温度の推移が同じであれば、同じように焙煎は進みます。火力と排気の関係でドラムの温度が決まってきますが、温度の推移が同じであれば、火力と排気を強くした場合と、火力と排気を弱くした場合の差があまりないということです。もちろん、まったく影響がないということではありません。火力と、排気の関係からドラム内の温度のばらつきが決まってくるため、その影響がでるのだと思います。結局これも豆に加わる熱量ということです。
もう一つ分かったことは、2ハゼ以降は、焼くというより燃えているとイメージした方が分かりやすいということです。「煎り」から「焼き」の工程で豆にしっかり熱量が加わっている場合、ドラム内の温度が豆の温度より低くても焙煎は進みます。ドラムの温度が豆の温度より低いということは、ドラムから豆に熱が移動していないということです。豆が冷めない程度の温度にしておけば、豆が勝手に燃えていきます。そして、どうもこの燃える時のドラムの温度が豆の表面に影響を与えているようです。低い温度の方が、表面の組織の崩壊が少ないと思います。結果的に油が浮きにくく、劣化しにくい豆になります。
ロデムさんの記事で、「何をどうすれば、(何がどうなれば)どうなるのか、、、 」ということを言っておられましたが、まさにその通りです。
闇雲に美味しいものを求めてもできません。焙煎(に限らずなんでもそうですが)のプロセスで、何をするとそれがどんな結果になるのかを知ることが結果として美味しいといえるもの作ることが出来るようになります。
少しだけ、表現の幅が広がったような気がします。深く焼いたシボルガに、浅く焼いた時の香味を少し残すことが出来るようになりました。
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