店の壁一面1つのオブジェがあります。ダンボールにコーヒーの麻袋を貼り付けたものです。
コーヒー屋ですから……
実はこれ、スピーカーです。普通スピーカーは、紙などの振動板が動いて音を出すユニットが木の箱に入っています。何のために木の箱にユニットを入れるかというと、振動板が動いて音が出るとき、前(聴く方の側)と後ろに同じように音が出て、その前後の音が干渉し特に波長が長い低音が消えるため、後ろ側の音を聴こえなくするためなのです。後ろの音を聴こえなくするということであれば、大きな板で前後をさえぎればいいわけで、このような形式のものを平面バッフルといいます。ということで、このダンボールにコーヒーの麻袋を貼り付けたものが箱の代わりになっています。
箱に入ったスピーカーにもいろいろな形式がありますが、よく使われているのは密閉式とバスレフ式です。どうも箱入れると、自分には良くないように聴こえるのです。密閉式の場合、スピーカーの後ろ側に空気の圧力がかかり動きが制限されているように聴こえます。バスレフ式というのは、後ろ側の音をパイプに共振させて低音の量を多く前に出すのですが、共振している音だけが聴こえてきます。
平面バッフルは、普通大きな木の板を使います。そしてその木の板にユニットを固定します。
ではなぜダンボールを使っているのかということですが、どんなものでもそばで音が出ると共振して音を出します。その共振した音を聴きたくないからです。スピーカーユニットの、振動板から出ている音だけを聴きたいということです。
ダンボールもそばで音が出ると共振します。でも木の板などと違ってほとんど音になりません。そして、このダンボールは2m弱×2m弱の大きさがありますが、中心の1m×1mは厚いフェルトになっています。フェルトの方がそばで音が出たときダンボールよりも更に音が出ません。今度作り変えるときは、全部フェルトにしようと思っています。
またユニットもバッフルの後ろに置いてあるだけで、バッフルには固定していません。これも固定することにより、振動が伝わることがいやだからです。
裏側はひどい作りであまり見せたくないのですが、……
スピーカーユニットには、レンガの重りを取り付けてあります。これはデッドマスといって、ユニットのフレームの振動を少なくして、そこから発生する音を少なくします。
写真では見えませんが、スピーカーユニットを取り付けた部分は、鋼球のコロで浮かしてあり、スピーカユニットからの振動が床や壁に伝わるのを少なくしています。
スピーカーの置き方で、音か変わるといわれていますが、これはスピーカーら音が出たとき、置き方の違いによって床や壁の振動状態が変わり、そこから発生する音の違いによるものだと思います。
そのほかの特徴としては、低音用が16cm×2、高音用が25mmのソフトドームです。音源の位置を合わせ、低音用と高音用のユニットの時間のずれを無くしてあります。ネットワークは6dBの並列型です。
音の方は、……
聴いてのお楽しみ ですか